みなさん、明けましておめでとうございます。今年は、デザインなり文章なり、何らかの形でわたしの世界を目に見えるものとして作り上げることに力を注ぎたいと思います。2007年は趣味(主に読書)に走ってろくにサイト更新できなかったし。パワー補給は十分されたのでがんばります。今年もよろしくお願いします。


わたしの世界を!と言っておいて、はてなダイアリー2008年初の記事は、去年から言っていました読んだ本の感想から。生い先不安。

群青の夜の羽毛布 (文春文庫)

群青の夜の羽毛布 (文春文庫)

まずこちら。文庫ですが表紙がきれいで(質も色も)、読む前からとても良いかんじ。…と思ったらサスペンス(ミステリー?)調の話でした。びっくり。もちろん著者特有のあの女性描写は生きているし、むしろこれまで読んだ山本文緒さんの他のどの作品よりもぶっ飛んでいて、しかし生々しい(という表現はあまり気に入らないけれど良い言葉が見つからない…)女性たちが登場するんですけどね。でも、うーん、確かに思い当たる節が多くて、だから生々しさを感じるんだとは思うんですが、共感することはなかったかも知れない。彼女たち3人にも、もちろん鉄男にも。この方の作品については、「それそのものを楽しむ」よりも「それを受けてふとよぎること」の方に興味が深いので(少なくともわたしは。前者に負けず劣らず、後者もすばらしい価値だと思います)、こういう、隠された事実だとか登場人物の行動だとかで魅せる、(そのためには必然的に)長編よりも、どうってことない生活に潜む隠しきれない人間性について描く短編の方が好きかな。まーそれは「どっちの方が」の好みの話で、この作品もとても楽しめました。最近は山本文緒さんの作品ばかり読んでいるし買っている気がしますが、飽きないし予測できないのも面白いところ。


MISSING (双葉文庫)

MISSING (双葉文庫)

初めての本多孝好さんの作品。短編集です。こちらは「それそのものを楽しむ」ための本。この方の作品はたぶん全てそうなんじゃないかなと思います。非常に癖のない、すっきりしたストーリーと文章を書く方だなーという印象。「特徴を挙げよ」と言われたとしても言葉に詰まるような。処女作だと知って妙に納得。なるほど「これから」なかんじ。とは言っても、これから「成長していく」というんではなくて「染まっていく」っていう。うーん、うまく言えない。……カレー?(この表現で分かる方なんて多分いないと思いますが、長く書くほどの比喩でもないので以下略)あと、女性描写が男性的でちょっと面白かったです。「瑠璃」とか「祈灯」とか、「男の人ってこういう女性に惹かれますよね!ね〜!」って語りかけられてるのかと思うくらい。…こう書くと批判的なようですが、結構楽しめました。「祈灯」が好き。