お久しぶりです、こんにちは。あたたかくなってきましたね。わたしの好きな季節です。


さて、サイトをリニューアルしました。88×31バナーがやたらカッコ良くなってしまったなーと少しびっくりしています。なんかちがう…詐欺に近い…。せっかく作り始めたしと思って一応あげましたが、早くも少しうんざりしてきています…。前のデザイン、ミュージアムは結構長い間持ちましたがクレイジーワールドはすぐに終幕のヨカン。あ、でも新年度忙しいからな。どうだろう。


どうでもいい話をぐだぐだした後、なおも崩れ落ちるようにブックレビューいきます。(最近、以前にも増して自分の文章の要点がつかめない。)

薬指の標本 (新潮文庫)

薬指の標本 (新潮文庫)

やっと原作のほう読みましたー。先に映画化作品を観てるとやっぱり比べながら読んでしまうもので、終始「少しの違和感」と闘っていました(そもそも舞台が日本/フランスだから仕方ないことなんですけれども)。浮かぶ標本技術士の顔は渋い外国人のものなのに、その名前が「弟子丸」っていう。きっと小説から触れてたなら全く自然だったんだろうけど。でもそこだけ。「薬指の標本」はわたしが知ってる中で最もすばらしい映画化成功作品。
まーそれは置いといて(充分すぎるくらいに語りたいところではあるけど)、あいかわらずの静かな狂気。頬がひんやりする感じ。人間の一番奥まったところにあるのはきっとこんな感情なんだろうなーと思います。あれがしたいとかこれが欲しいとか、そういう真っ直ぐな欲望ではなくて。それこそ標本のように、ホルマリン液にゆらゆら揺れながら、明確で安全な被支配下のもとで自由も不自由もなく怠惰に留まっていること。考えただけでもうっとりするんですけれど…わたしだけでしょうか。何度読んだってすべてを理解することはたぶん(というか絶対に)無理だろうけど。わたしは完全な薬指をしているし、わたしにとって「靴」はさして大した意味を持たないし。でもいーのそんなことは。理解することはそんなに大切なことじゃないの。そんな気になる本。
二篇目の「六角形の小部屋」も、これまたフランス映画でも観てみたい象徴的な作品でした。やっぱり怠惰と被支配欲についての話(だと感じた)。ラストシーンがとても印象的。今、カタリコベヤはどこにあるのだろう?


更新サボってた期間に触れた作品並べようかなーと思ったんですがすごい数になるのでやんぴ。おもしろかった分だけでもいつか紹介したい。