ここ2か月で観た映画の中から面白かったもの/そうでもないけど思うところのあったものを抜粋して紹介。評価順に並んでま…せん。


パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド 2-Disc・スペシャル・エディション
とりあえずジャックの出番少ないよ…!パイレーツシリーズにはジョニーデップもといジャックのおとぼけた男前さを期待してるわたしにとってはあまりよろしくなかったです。ここに来て主役交代はねーだろ!と。ウィルとエリザベスも大好きだったけど肝心の3作目で3役ともの魅力が薄味になっちゃった印象。何度も観れば印象変わるのかな…友達にDVDいただいたので気が向けばまた観たい。けど長いんだな。


ドッグヴィル プレミアム・エディション [DVD]
お遊戯会のようなセットとナレーション(いや狙いはわかるんだけど)に、めちゃくちゃ暗く盛り上がりのない(言い切った!)ストーリーで途中何度となく「もうやめようかな」と思ったんですが、何となく停止ボタンを押せずに最後まで観ちゃった感じ。それはニコール・キッドマンのうつくしさのせいでもあるだろうけど、たぶん、自分を根本の暗い人間と認識してる人間は途中でやめられないんだと思います。村の人々の罪に身に覚えがあるわけじゃないのに、どうしてだかドキッとしてしまうんですよね。娯楽性は皆無です。むしろ観ればドッと疲れます。が、わたしは病んでるときに観て!と言いたい(わたしがそうだったように)。なぜならますます落ち込むと同時に、不思議なことに救われた気にもなるから。おもしろかったかといえば答えはノーだけど、すばらしい作品だと思います。(どうでもいいけどニコールはこの作品のときが最もうつくしいと思うよ!)
でもこのラース監督のような方が身近にいたらもー最悪ですけどね。これだけでもすでにアレなのに続編「マンダレイ」に今度「Wasington」でしょ(どっちも血迷わない限り観ないけど)?なんていうか…怖いよ。


アザーズ [DVD]
こちらもニコール・キッドマン主演作。ジャンルは何になるんだろう…ホラーとも言えないし…サスペンスかな。作品全体の雰囲気がとても良かったです。広大なお屋敷の薄暗い部屋、「次の部屋に移る時には必ず前の部屋に鍵を」、白い子供たち、怪しくどこか陰気な使用人、うつくしい母。途中まで最高に好みだったんですが、オチで良くも悪くも裏切られた感じ。まさかとは思ってたけど、それでいいのか!みたいな。視点はおもしろいとはいえ、有無を言わせない感じは夢オチに近い。でもまー、良作かな。
良くも悪くもそんなオチ!?つながりで「"アイデンティティー"」を思い出してもう1度観たくなりました。


スクール・オブ・ロック スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
もーー大っ好きです。ロック命のアツい男・デューイがお金のために教員になりすまして学校に潜入、担当クラスの生徒たちの音楽にソウルを感じ、子供たちと強引にバンドを組む。優等生のいい子ちゃんたちは戸惑いながらも次第にデューイを慕うようになり、ロックに染まってゆく…。狙うは大会優勝だ!んー、これぞエンターテイメント!こんな笑った映画も、観終わってすぐにもう1度観た映画って初めてかも知れない。誰にでも観て損はないよ!と薦められる作品。ステージシーン超かっこいいんだ。
ただ、DVD特典のドキュメンタリー的なものは観なければ良かったと思いました。ジャック・ブラックは作品の中にいてこそだ、うん。


逃亡者 [DVD]
実はちゃんと観たの初めてだったという。これぞエンターテイメント!パート2ですね。キンブルの超人的な運の良さと不死身さ、ジェラード警部のこれまた神的なカンの良さと間の悪さ(すべて合わせて都合の良さともいう)…まー考え出すと「嘘つけ」の連続なわけですが、観る側にそれらを忘れさせる、あるいは「まーいいよそんなことは」と思わせる、間違いのない傑作。おもしろかった!
まーBOSSのCMを先に認知してしまってるわたしにはジェラード警部は宇宙人にしか見えませんでしたけどね…。彼の神的な性質とかひどすぎるコミュニケーション能力とかの説明も「だって宇宙人だもん」ですべて解決ですよ!


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邦画のような洋画。ある初老男性が定年を迎える瞬間から始まって、彼のそれからの「どう過ごせばいいのか分からない」毎日を綴った作品。お察しのとおり、地味です。仕事人間だったから生活能力なんてないけれど、プライドと見栄だけは立派。手持無沙汰な日々にぐずぐずと不満をつのらせていると、ある日、突然妻が死んでしまう。途方に暮れる暇もなく愛娘は婚約者を連れてくるのだが、ソイツがまた気に入らない。わたしの娘にふさわしくない。「ああ、もう、どうして、こんな!」、そんな意味のない言葉ばっかりが頭に浮かびます。観ているだけでじくじく痛いけど、ラストシーンには泣けました。シュミットさんを通じて、不器用だからこそのいとしさをしっとり感じられる良作。
(以下ちょっとネタバレかも)わたし、物語当初からあの寄付を悪徳なんじゃないのと思ってたので、あることないこと美化したこと等、身の上話をホイホイ書くシュミットさんにずっと「あーあー…」と思ってたんですが、なんだ、ちゃんとした寄付団体だったんですね。救いあるお話で良かった!