最近の更新のしようは(自分で言うのも何ですが)尋常じゃありませんね!今日は読んだ本1冊と観た映画1本の記録をちょこっと。


空中ブランコ (文春文庫)

空中ブランコ (文春文庫)

イン・ザ・プール」の続編、ミスター奇人伊良部精神科医とその患者たちのオムニバスです。前作にもまして読みやすく、ともすればもの足りないくらいですが、この手軽さこそが味なのだ!と思えてしまうところが、良くも悪くもベストセラーである所以かなと。こういうとちょっと否定的に聞こえるかも知れませんが、いやー、笑いました。面白かったです。個人的には前作よりも今作のほうが好き。各患者とも(伊良部は言うまでもなく)「どうしようもねーな」以外の何ものでもないのに、その救いようのない感じがいとしくておかしくてたまらない。絶妙なんですね。憎らしさとバカらしさのバランスが。義父であり上司である教授さまのヅラを、剥がしたくて剥がしたくて気が変になりそうな医師(「義父のヅラ」)だとか、先端恐怖症でのやーさん(「ハリネズミ」)だとか、設定がいちいち「そりゃないよ…」でそれだけでもおかしいのに、そこに伊良部が加わってやりたい放題するんだから、もう。前作のように「伊良部ってもしかして天才なんじゃないの?全部わかってやってるんでしょう?」という面白さはないけど(今回の伊良部は何も考えてない、絶対)、バカってすばらしい!と心底笑えるオススメの1冊。中でも「義父のヅラ」、最高でした。
ただ、「女流作家」はちょっといただけなかったかな。わたしの感性がゆがんでるのかも知れないけど、著書の傲慢みたいなものを感じてちょっと嫌〜な感じがしました。なんていうか、「これ、誰か特定の人とケンカしてその人を思い浮かべながら、ざまーみろとほくそ笑みながら書かなかった?」と思った。患者の立ち直り方がちょっと強引だったし(というかあの話、伊良部ホント役に立ってないよなと思う。おもしろかったけど)。
何にしろ、伊良部シリーズ3作目、「町長選挙」も絶対読みます。


シーズ・オール・ザット [DVD]
スーパー男子が根暗女子を美しく変えていくシンデレラ・ストーリー…なん、だけ、ど、これ何の冗談?と思うくらい女子が最初から超可愛いていう(顔ちっちゃすぎたと思うんだ)。その上男子はイマイチ…。ありがちな横やり男子も微妙すぎた…。ストーリーもコメディー路線でいくのかロマンス路線でいくのかはっきりしないし(というかたぶんロマンス路線でいきたいんだろうけど設定に無理がありすぎてコメディーとしか思えない)、女子の変身は「いいのそれで?」ってくらい安易に済んじゃうし、なんていうか全てが中途半端〜な映画でした。どうせギャグみたいな設定なんだから思いっきり軽いノリで作りきってほしかった。それならカップラーメン作るみたいに気軽な変身も笑って許せた。むしろそういうツッコミどころ満載なシニカルコメディを期待してた…。音楽とかラストのダンスシーンは良かったのになー。