友達がお昼ご飯にチョバウムクーヘンをふたつ買ったことを非難していたら(なんで同じものを!せめてひとつは普通のにするとか!)(自分はアイスとプリン買ったりするけどね)、「なんでー千緒なんか食べ物にたとえたら確実にバウム(クーヘン)のくせにー」と言われた。前々から思っていたらしい。「くせに」ってなんだと思いながらもそのときは「ふうん」と思って終わったけど…。
・それって(考えが)甘いってこと?
・ツラの皮が厚いってこと?
・心の真ん中が欠落してるってこと?
と、今になって悶々と考えています。少なくとも心の欠落は考えて言ってることは確実だ、あの子は。あなどれない…。でもそういうところも大好きよ。



羽の音

羽の音

ご紹介いただいた作家さんの作品を読了。突然、登校拒否し出した主人公と、同じく出社拒否し始めた姉の、定まらず浮遊感のある日々を描いた物語です。タイトルや設定、テーマ、文体等どれを取っても超「今風」で、生活感のない描写なのに(菜生(主人公)とミキオの関係なんてまったくそう。憧れをそのままかたちにしたような。うらやましい。)妙にリアルに感じられるのはそういうところからくるんだろうと思います。身に覚えのあることが多すぎる。だらだらっとしていて、けれどどこかあっさりしているというか聞き分けがいいというか、諦めてるというか、菜生のそういう思考なんてわたしそのものだ!とみんながみんな思うんじゃないでしょうか。悩みごととまではいかないまでも、日々のかすかで(もしかしたら感覚的には実感できないくらいにうっすらとした、)漠然とした不安だとか、何に対してでもない不満とか、そういったものの存在にハッとさせられる感じ。解放してくれる感じ。だから、物語自体は混沌としてるのに読後感はすごくさわやかなんですよね…。
個人的にニヤッとできたのが、菜生が通行人の迷惑になりながらも、スローペースの極限で自転車を漕ぐシーン。あれ、誰でも1度は経験ありますよね。



今図書館で取り寄せてもらってる本3冊を先行でチラリ。期待をこめて。
鼻行類 (平凡社ライブラリー) ないもの、あります 最後に見た風景