アヒルと鴨のコインロッカー [DVD]

アヒルと鴨のコインロッカー [DVD]

せっかくなので観てみた。原作で受けた説明くさい印象は多少解消されたものの、その分荒っぽさは増したかなと。しかしまあ、映像化にあたって作品を改良しようという心意気は見て取れました(それが作品に致命的なダメージを与えていると思うところもあったけど、その話は下の反転部分で。ネタバレ含みます)。そのせいで椎名が個性とか自主性のまったくない、ホントただの物語の駒になってたことはちょっと残念だったけど。他の子たちも同様に駒扱いで、なんていうかまとめるのに必死だな…と思った。浜田くんの好演と瑛太のカッコ良さ(まー好みの話だけど。それにしてもダサイバージョンの瑛太には感銘を受けた。ホントにダサかった。雰囲気ってスゴイ)にかろうじて助けられた感じ。そもそも、タネ明かしに映画全体の後半ほぼすべてを使うっていうのはどーなんだ。河崎視点でのもうひとつのストーリーとして楽しもうと思うんだけど、継ぎはぎだらけでそうもいかないし。なんかこう、原作とはまた別のもやもや感の残る作品でしたね。原作未読ならもっと楽しめたかも知れないけど。


↓以下、5日の記録のネタバレ記述に関連して。作品の最終部分の衝撃的な改変について触れてます。個人的にはあり得ないよ台無しだよ最悪だよと思った。反転でどうぞ
神様を閉じ込めようと言い出すのが、河崎(と呼んでおく)から椎名へ変わってましたね…。ストーリーの印象、というかストーリーの持つ意味ががらりと変わっちゃうと思うんですけどどうですか。むしろ「コインロッカーの件は大した意味持たないのよ、ただキレイかなと思って」ということなんでしょうか。と、そこが1番残念だった点。スタッフに意図を問い質したいくらい。椎名が閉じ込めようと言い出すんだったらドルジ(と呼んでおく)の事故まったくいらないじゃん(悲劇でしょう泣けるでしょうってことか知らないけど)。てか、椎名は「つらかったよね、河崎は何も悪くないよ。警察になんか行かなくていいしこれからもそのままの河崎でいてね。よかったね神様も見てないしバレないね」ってそういうことですよねアレ。河崎は河崎で「ホントに帰ってくるのかよ遊べないじゃん椎名のバカ」みたいな別れ方だし、いやそれは違うだろ、と言いたい声を大にして。原作を愛していて映画に物申す!ていうのではなく、原作での気に入らなかった点が、映画で改変されていることにまた最悪だとごねるという。作品自体、決して嫌いじゃないけど。なんだろーねー。
↑以上