しかたのない水 (新潮文庫)

しかたのない水 (新潮文庫)

何となく買い書籍第2弾。タイトルに惹かれて買ったんですが、うん、予想以上によかったです。連作短編集です。「手紙とカルピス」〜「運動靴と処女小説」までは読んでいてすっごくイライラしますが、それも描写が上手いからだろうなーと。特に「手紙とカルピス」はひどくて、最低な男が周りの女をバカにして傷つけて、でもそんな自分自身に1番腹を立てていて、今さっき手に入れた女だって何だってすべて放り出して、できることなら逃げ出したいと思っている…という。じゃー逃げ出せばいいじゃんと。所帯も職も自分の家すら持ってない(女の家を転々としている)んだからいつでも逃げ出せるじゃんと。まーそれができないのが人の弱さで、最低なことをしておいて逃げ出したいのもまさにそれで、限度はあるにしろ身に覚えがあるから腹も立つんでしょうね。しかし、「サモワールの薔薇とオニオングラタン」で方向転換し、それ以降は妙な非現実感とともにダダダッと物語が進みます。その辺りの、前半とはまた違う類いのどうしようもない感じがとても好きでした。ラストは、硝子がパリンと割れてしまうイメージ。「えっ?」という瞬間の戸惑いと、どうしたって取り返しはつかないということ。納得して片付けるほかはないのです。
梅雨時期に読めてよかった。



ギフト [HD DVD] スリーピー・ホロウ<DTS EDITION> [DVD]
最近サスペンスとホラーの間みたいな作品しか最後まで観られない…。「スリーピーホロウ」笑えました。たぶん笑う作品じゃないんだろうけど。おもしろいのはおもしろいし、美しいんだけど、ご都合主義というか強引だなというか何というか。でもジョニーのインテリ風バカで臆病かつ真っ直ぐな男はものすごく良かった。ここぞという場面では小さい子の後ろに下がり怯えるイガボット…首なし騎士を目の当たりにしてベッドに寝込むイガボット…かわいい…。

シュガーレス・ラヴ (集英社文庫)

シュガーレス・ラヴ (集英社文庫)

読了。「シュガーレス・ラヴ」のほうは山本文緒さんらしい短編集でした。作品の中で彼女たちは文字通り「病んで」いたわけだけれども、こんな分かりやすいかたちではなくとも、わたしも、病んでいる。体験したことはないはずなのに、それぞれの病に身に覚えがある。だからこそ彼女たちの病み方にむしょうにイライラするし、反対にちょっとだけスカッともする。「お前は病んでいる」と指摘されているような気になって気分が悪いのだ。けれど同時に、モヤのかかった不満を的確に言い当てられることは心地よい。たぶんそういうことなんだろうと思う。
話は変わって、今(というかずっと)書きかけのお話に、この作品にどこか通ずるものがあります。その中で主人公は、目に見えて病んでいる友人をとてもうらやましく思っていて、なぜかっていうと、強がりで素直じゃないその主人公は、明らかに病んだり落ち込んだりできない質だから。だから、痛々しい友人をかわいそうだと思う一方で、「なんであなただけ、ずるい」と思ってしまう。何が言いたいかっていうと、そういう方なら読んで楽しめるんじゃないかな、ということです。



これはびっくりしました。誰の本?と思って確かめると、やっぱり山本文緒さんなんだけど、あれ?みたいな。巻末エッセイに「自分がかつて書いていた少女小説」という言い回しを見つけて、なるほどこれはかつて書かれていた少女小説なわけだ、と思ってから、初めて少女小説という分野を知りました。要するに少女が読んでドキドキできるようなもの?ちがう?何にせよ新鮮でした。対象年齢が低いのか著者の持ち味(というかわたしが期待してるもの。こう、どろっとした感じ)はあまり生きてないような気はしたけど。小説というよりは、少女マンガだと思って読めばちょうどいいのかも知れない。細かいことは気にしないことだ。うーん、ライトノベルっていうジャンルも、少女小説と似たようなものになるんですかね…?あれはファンタジー



honey(初回限定盤)(DVD付)
わーいわーいわーい!
(携帯でサビだけ落とした「ラブラドール」があんまり良くなくてシュンとしてたんですけど(洋次郎くんも大好きなのでね)、全体で聴いたら嘘みたいに好きでした!携帯だとシャカシャカなだけだったのにただ単に機種の音質が悪いだけだったんですね!ほんで歌詞!「愛して」も「愛してる」も声が枯れても言い続けるよ!だから聞いて!と思った)

久々に「なんとなく」買った小説。どうだろうね…ものすごく掌編で感想を持つ暇もなかったかも。しかし色んな作家さんの世界を知れてよかったです。残念ながら「あ、この人いいな」とかっていう発見はなかったけど、気楽なお話や文章ばかりだったのもあって、まあ面白かったです。

最近入手したアルバムさんたち5つ。まだあんまり聴けてないんだけどちょこっとずつ紹介しておきます。



chronicle.(DVD付)

chronicle.(DVD付)

世界観ねえやんらしく、聞いていてすごく心地よいです。今までのアルバムと比べると少し大人しい感じかなと思います。どうでもいいけど6曲目の「お祭り-フェンスと唱おう-」聴いてたら、UAの「ノレンノレン / 灰色した猿の夢」思い出しました。こう、ポロンポロン音が楽しそうなところが。



STEP

STEP

初回限定盤のジャケットよりもこちらのほうが好きですわたし。(それはそうとMEGちゃんは移籍してからデフォでパンチラですよね…いや可愛いけど。)聴くっていうか聞き流すって感じで。楽しくなれて好きよ。



Trapeziste

Trapeziste

Montage

Montage

大好きなサイトさんで紹介されていたカヒミ・カリィさんの作品3つ。下2つはまだ落ち着いて聴いてませんが、今まで知らなかった自分にキイー!ってなるくらい好みです。ウィスパーボイスにこれでもかってくらい弱い。異国感がたまらん。それにしても「Trapeziste」のジャケット…やばくないですか…こう意味わからない感じが。うつくしい。(「NUNKI」は正直ちょっと怖いけどね。キレイなんだけど最初ウッと思った。)この中には収録されてませんが、「Candyman」て曲の何も考えてなさそうな感じもまた良いです。あと「ハミングがきこえる」!びっくりした!

伝染(うつ)るんです。 (2) (小学館文庫)

伝染(うつ)るんです。 (2) (小学館文庫)

んぐまーま (谷川俊太郎さんの「あかちゃんから絵本」)

んぐまーま (谷川俊太郎さんの「あかちゃんから絵本」)

すごかったです。

ベリーショーツ 54のスマイル短編 (ほぼ日ブックス)

ベリーショーツ 54のスマイル短編 (ほぼ日ブックス)

久々に「これは!」と思える本に出会いました。よしもとばななさんが「よしもとばなな」さんになってから、お話につかみどころがなさすぎて敬遠していたんですが(「吉本ばなな」さんの著書はすごく好き)、装丁があん…っまりかわいかったので思わず手にとってみたところ。自分、グッジョブ。
毎日の何てことない、ちょっとだけおもしろいこと(心が健康でないときには目にもとまらないような)がのほほん語られています。ぽこっとしあわせを感じられる1冊。自分を、人を、ていねいに愛したいなーという気持ちになります。(そして子どもがほしくなります)


調べてみたところ、装丁は祖父江慎さんという方のようで。祖父江さんは「月刊IKKI」にも関係が深いとか。雑誌自体は読んだことありませんが、ジョージ朝倉さんの「平凡ポンチ」の連載はIKKIでしたよね。あれ、単行本で買うときには正直悪態つきましたが(うら若き乙女が買うにはタイトルから表紙から難易度が高い)。でもワールド全開でしあわせになれた。お二方にはなんていうかこう、「全力で脱力」な姿勢がうかがえる。全身全霊で脱力しているというんじゃない。誠心誠意、脱力のお手伝いをしてくれる。そんな感じ。とりあえずIKKIという雑誌にちょっと興味を持ちました。

世界のかわいい紙

世界のかわいい紙

別れの後の静かな午後 (中公文庫)

別れの後の静かな午後 (中公文庫)

パレード (幻冬舎文庫)

パレード (幻冬舎文庫)

ロックンロール (角川文庫)

ロックンロール (角川文庫)

きっと君は泣く (角川文庫)

きっと君は泣く (角川文庫)

真夜中のマーチ (集英社文庫)

真夜中のマーチ (集英社文庫)

絶対泣かない (角川文庫)

絶対泣かない (角川文庫)

真夜中の五分前―five minutes to tomorrow〈side‐A〉 (新潮文庫)

真夜中の五分前―five minutes to tomorrow〈side‐A〉 (新潮文庫)

ヴィレッジ [DVD] 輪廻 プレミアム・エディション [DVD] バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2 [DVD] バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3 [DVD]


記録サボってたら…こんなに…(驚愕)。10日で9冊(本)と4本(映画)。…なかなか。そういえば漫画も何冊か買ったけどそれはまあいいや。念のため言っておきますがちゃんとした学生生活送ってますよ。順番は適当。よかったのはそうだなー「きっと君は泣く」と「真夜中の五分前 side-A」でしょうか。あと「輪廻」はびっくりした。優香ちゃん、よくがんばったね!


最近、映画を最後まで観られません。1時間くらい観たらもういいやーってなる。無理に観るもんでもないし別にいいけど、なんでなんだろう。